2016/01/13

ゲームセンターの景品に800円以上の高額景品が使われている理由

ゲームセンターにほぼ100%設置されている、機械操作で景品を獲得できるプライズマシン。

なかでもクレーンゲームが主流ですが、あの類はキチンと法律が定められておりまして、景品として使えるのは800円までのものとされています。

ですが、田舎のゲーセンではテレビゲーム機のようないわゆる「高額景品」が使用されていることも。ハッキリ言って法律違反ですが、実はかなり濃いグレーゾーンだったりします。

クレーンゲーム関連の法律

「クレーンゲーム」より「UFOキャッチャー」という呼び名のほうが浸透しているかと思いますが、「UFOキャッチャー」というのは「クレーンゲーム」の一部。正確に言うなら、SEGAが販売しているクレーンゲーム機が「UFOキャッチャー」です。

ちなみに、「ニューUFOキャッチャー」や「UFOキャッチャー21」あたりはかなり古い筐体ですが、今でも現役稼動していて中古市場でも取引されています。つくりがシンプルなぶん、壊れにくく修理しやすいのが理由。

さて、ゲームセンターに関する法律といえば「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」です。略して「風営法」とか「風適法」というもので、深夜営業の飲食店やぱちんこ店、麻雀店などもこの法律にそって営業しています。

景品提供は禁止!?

風営法において、ゲームセンターは8号営業に該当します。で、第23条にはこのように定められております。

(遊技場営業者の禁止行為)
第二十三条  第二条第一項第七号の営業(ぱちんこ屋その他政令で定めるものに限る。)を営む者は、前条の規定によるほか、その営業に関し、次に掲げる行為をしてはならない。
一  現金又は有価証券を賞品として提供すること。
二  客に提供した賞品を買い取ること。
三  遊技の用に供する玉、メダルその他これらに類する物(次号において「遊技球等」という。)を客に営業所外に持ち出させること。
四  遊技球等を客のために保管したことを表示する書面を客に発行すること。
2  第二条第一項第七号のまあじやん屋又は同項第八号の営業を営む者は、前条の規定によるほか、その営業に関し、遊技の結果に応じて賞品を提供してはならない。
3  第一項第三号及び第四号の規定は、第二条第一項第八号の営業を営む者について準用する。

第2項にご注目ください。

“遊技の結果に応じて賞品を提供してはならない”

つまり、クレーンゲーム機にチャリンチャリンと100円玉を投入し、クレーンメカを操作して景品をとらせることはNGなのでございます。

じゃあ、全国のゲーセンは法律違反なのか、というと実はここがグレーゾーンとなっているんですねー。

粗品レベルの景品ならOK!

実はゲームセンターが風営法規制の対象となる前に、プライズマシンはすでに幅広く流通していました。

そこでいきなり「景品出しちゃだめ!」ということになれば、業界はパニックに陥ります。景品がとれないクレーンゲームなど何の魅力もない。売上がすべてパアになってしまう。

というわけで警察庁にその旨を直訴した結果、「粗品レベルならいいよ」という解釈を得ることに成功したわけです。ただし、自主規制を行うべしという条件つき。

そのため、現在は業界団体内で「景品は800円以内のものとする」という自主規制で運営されている状況となっております。まあ、団体に属していないお店もあって、そういうところは800円なんて守っていなかったりするんですけどね。

摘発されるのは、同業者のチクリ!?

風営法に基づく営業許可をとって運営しているゲームセンターと、そうではないゲームセンターがあります。

前者はきっちり法律を守って運営しなければ営業停止になるおそれがありますが、後者の場合は24時間営業してみたり高額景品使ったりと(ある程度)やりたい放題。

簡単にいうと、ゲームセンターを主体として運営するなら許可をとる必要があり、ボウリングやカラオケなどが主体でその一部にゲームコーナーを設置する場合は許可は要りません(ゲーム機の占有面積で変わります)。

でも、きっちり守っている側からすると、やりたい放題やっている店は迷惑きわまりない。こっちは800円の景品しか使えないのに、30,000円のゲーム機とか使っているわけですからね。

そんなわけで、あまりに行き過ぎている場合は警察にチクリが入ります。営業許可をとっていなくても風営法の規制対象にはなるので、アダルト景品なんか使っていたら一発アウトとなってしまいます。

高額景品は抜け道があるようですが…

800円は仕入れ価格?小売価格?

もともと法律では景品の提供がNGで、自主規制で800円としている。ということは、解釈の仕方によってグレーゾーンが生じます。

たとえば、スーパーで300円で売られているような玩具つきお菓子。これはOKです。

では、1,500円で売られている商品になるとどうなのか。こちらは、仕入れ価格が800円以下だからOK!だったりします。

ではでは、30,000円のゲーム機を中古として800円で仕入れたらどうでしょう。一般常識として、製造が終了した商品かジャンク品、または海賊版でないかぎり800円というのは考えられません。

通常はアウトなのですが、800円で仕入れたんだ!と強情に突っぱねればセーフになることもあります。釘はさされますが、営業停止までいくことはマレ。

子どもがゲーム機ほしさに親の財布からお金を抜いて何万円も突っ込んだ!という苦情が多数寄せられたなら話は変わってきますが、悪質と判断されなければお咎めだけで済んじゃいます。

高額景品使っているからボロ儲けかというと、実際はそうでもないんですけどねー。

そのほかにもあるグレーゾーン

景品のほかにも法律違反とされているものがいくつかあります。たとえば、こんなもの。

  • どのような景品か判断できないもの
  • クジなどによる2次交換
  • 景品獲得後の交換
  • 景品の販売
  • パチンコ・パチスロの景品交換
  • アダルト景品

景品の中身が見えないような黒い袋やカプセルを使用しているとダメです。一部に妖怪メダルが入っていてあとはクズ景品!とか完全にアウト。

よくあるのが、クジを大量に投入しておいてあたりが出たらディスプレイ景品と交換するもの。これもダメです。ピンポン玉をすくって、たこ焼きプレートみたいなところに落とすものも同様。

こう見ていくと、けっこうグレーゾーンで運営している店舗ってたくさんあるんじゃないでしょうか。

まとめ

基本的に、「射倖心をあおるな!」「子どもが安心して遊べる環境を!」が基準となっておりますので、これを守っていれば遊ばせ方はある程度自由にできる、というのが実状です。

最近はどこも「アナ雪」と「妖怪ウォッチ」ばかりで、それ以外に特に売れる景品がないという悲惨な状況。高額景品で釣りたくなる気持ちはわからんでもないです。

ゲットできる確率はかなり低く、買ったほうが安いのでハマらぬようご注意を…

今後も(怒られない程度に)アミューズメント業界の裏話をご紹介していきまっす。

著者:Ellora

わりとマジメなブログNaifixを運営しています。もうそろそろ冬眠の季節…

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